フリーランス放射線科医松村むつみ|医療の「あいだ」をつなぐブログ

フリーランス放射線科医、医療ライターしてます。日本の医療者、病院、患者さんたち、病気に関心のある一般の方々の、「あいだ」をうまくつなげるような、そんなブログを目指しています。ときどき社会問題も扱います。

「新型コロナ死亡ゼロリスク社会」がもたらすジレンマ

先日、アゴラさんに書いたのとほぼ同一内容だけど。異なった専門分野の知見も総合して政策決定をしてほしいなあ、という内容です。以下、ご一読ください。 緊急事態宣言が延長される見込みであることが発表された。1ヶ月ほどの、全国一斉の延長であるといわ…

新型コロナ、「PCR検査する派、しない派」の議論はもうやめませんか?

新型コロナウイルス肺炎に関して、「PCR検査する派」「しない派」の議論がまだおさまっていないように見える。少し前のTwitterでは、医師たちもが二派に分かれて議論する様子も見られ、「お前はする派、しない派のどちらなんだ」と、医師が尋ねられることす…

WHOがついにパンデミック宣言。医療崩壊を防げ!

WHOが、3月11日、ついにパンデミック宣言を出し、感染の広がりや重大さ、対策が足りていないことに対する懸念を表明した。感染者数がピークアウトしつつある中国、かねてから感染の広がりが懸念されていた日本、イタリア、イラン、韓国以外でも患者が急速に…

コロナウイルス病2019(COVID-19)病院準備評価ツール 翻訳 その4

8.HCPの監視と管理: □施設は、COPID-19への暴露の可能性がある医療従事者の監視および管理に関して、医療従事者が電話、医療相談へ迅速にアクセスできることも含め、地方 □施設には、公衆衛生学的要求に応じて、医療従事者の曝露を追跡し、積極的監視あるい…

コロナウイルス病2019(COVID-19)病院準備評価ツール 翻訳 その3

4.感染経路に基づく予防策(COVID-19症例が確認または疑われる患者に対する、標準・接触・空気予防策および眼の防御): □個人用保護具(PPE)およびその他の感染予防および予防用品(手指衛生用品など)。予防用品は医療従事者(HCP)の保護と感染者の感染…

コロナウイルス病2019(COVID-19)病院準備評価ツール 翻訳 その2

COVID-19が確認または疑われる患者を迅速に特定および隔離するプロセス: □呼吸器感染症の症状がある個人への指示とともに、入り口に次の標識を掲示する。 評価中はすぐにマスクを着用し、咳やくしゃみをするときは口/鼻を覆う ティッシュは使い捨てる、呼吸…

コロナウイルス病2019(COVID-19)病院準備評価ツール 翻訳 その1

米国の病院は全て、コロナウイルス病の患者が到着する可能性に備えなければならない。 2019(COVID-19)。すべての病院は、スタッフが訓練を受け、設​​備が整っており、能力があることを確認する必要がある。 必要なプラクティス: ・施設内でCOVID-19を含む…

COVID-19まとめサイトできました!

もともと、厚労省の業務をアシストするために有志で発足した「各種ガイドライン(WHOやCDC)翻訳プロジェクト(仮称)」が、国内の医療者向けまとめサイトになりました。アメリカのCOVID-19各種ガイドライン、論文の翻訳や、日本の各学会のガイドラインなど、…

"Radiology"に、COVID-19関連論文が続々

先週、放射線診断の専門誌「Radiology」に、COVID-19関連論文が続々と出ました。週末は、娘のバレンタインチョコレート作りを手伝って(だれかに渡すものではなく、家で食べる用)、まだ時間とれずですが、近々レポいたします。 https://pubs.rsna.org/journ…

「新型肺炎の画像診断スライド」翻訳完了!

以前、翻訳していますと書いていたこのスライド。 mp.weixin.qq.com ついに、翻訳終わりました! 旧知の方々やフェイスブックでのお友達を通して、すでに多くの病院、診療科、個人で共有いただいております。 ウイルス性肺炎は一般的に、CTだけで診断できる…

「新型コロナウイルス肺炎の画像診断」スライドの翻訳をしています

中国をはじめとして、世界中で新型コロナウイルス肺炎感染が広がっています。WHOも緊急事態宣言を出し、日本国内でも、渡航歴のない感染者も報告されるようになりました。国内で、渡航歴のない人から感染が報告され、不顕性感染(症状は出ないけれど感染して…

講談社「現代ビジネス」に、新型肺炎含む感染症の記事を書きました

講談社「現代ビジネス」に記事を書きました。 gendai.ismedia.jp 新型肺炎アウトブレイク以前に執筆していた記事で、メインは薬剤耐性(AMR)についてでした。インフル新薬として、タミフルを上回る売り上げをほこったゾフルーザに耐性ウイルスが指摘されてい…

子どもの給食室が長期修繕中! 毎日弁当作りでピンチ!

小学校1年生の子どもは、横浜の公立小学校に通っています。公立は私立と違って給食があるからよかった、なんて考えていられたのは、入学後半年間だけでした。入学早々の5月頃、給食室の修繕計画を告げられ、絶句する母親たち。9月から2月のほぼ半年もの間、…

新型コロナウイルス肺炎、予防法は? デマに惑わされないで!

正しい手洗いの仕方(首相官邸ホームページ) 新型コロナウイルスによる肺炎は、中国で感染者数が増加し、各国でも感染が広がりを見せつつある。28日には、国内7例目の感染が報告され、武漢への渡航歴のない症例もはじめて報告されている(バスの運転手とし…

フリーランス放射線科医って、どんなお仕事?

「フリーランス医師」という言葉が聞かれるようになって久しいです。もともと、米倉涼子のドラマ「ドクターX」のヒットをきっかけに、その存在がまあまあ広く(?)世間に認知されるようになりました。そういえば今期も、ドクターX放送されましたね! わたし…

「CTとっていたけど癌が見落とされた」が、なくならない理由

定期的に、「CTを撮ったけれど癌が見落とされてしまった問題」がマスコミを賑わせます。正確に言えば、この問題のほとんどは、「CTを撮影し、画像診断医は癌の疑いを指摘したけれど、臨床医が報告書を見なかった問題」になります。画像診断医が、癌を見落と…

乳癌検診で、「要精査」と言われたら?

最近、いろいろな方の話をきいたところ、乳癌検診で異常を指摘されても、どうしたらいいかわからない・・・・・・という声が意外と大きいことに気がつきました。異常を指摘されると、気持ちも動転してしまいますし、どこを受診するのが正解なのか、どんな診…

医師は自分の子どもを医師にしたいの?

大学入試センター試験が終わりました。当日は今年も寒くなり、横浜ではみぞれが降っていました。 最近、医学部熱が高まっていることがよくきかれます。少子化で全体の受験生は減っているにもかかわらず、医学部に行きたい人は増えていて、20年前は難易度が低…

「医者でもらう薬は市販薬よりも効く」は本当?

今、風邪を引いています。喉が痛くて体調が悪いのですが、体温は37℃台前半で動けるから、インフルエンザではないのでしょう。市販薬を飲み、今日も画像診断に精を出しています。 よくちまたで、「医者で処方してもらう薬は市販薬よりも効く」という話がされ…

100か0か・・・・・・「白黒思考」をやめよう

わたしたちはつい、物事を考えるのに、100か0かの論理を使ってしまうことがあります。わたしも、物事を白黒つけたいと思うところがあり、なんとなくグレーな領域に物事がとどまっていることは、気持ちが悪いと思うことがあります。完璧主義者の方であれば、…

「医療化」が成功した社会と、個人の選択

どんなときに病院に行くべきか。何か不快な症状があるとしたら、その症状をやわらげるべきか。もっと詳しい検査を受けた方がいいのか。医療には、こうした細かく、しかし重要な「選択」が数え切れないほどあります。もちろん、医療における「選択」の多くは…

出生前検査の記事とクラウドファンディング

賛否両論ある出生前検査ですが、Business Insider Japanに記事を書きました。 www.businessinsider.jp その際に、出生前検査を受ける妊婦さんのサポートを行っているNPO法人「親子の未来を支える会」にもお話を伺いました。 「親子の未来を支える会」は、赤…

唐突に、「彼女は頭が悪いから」

今回も、医学ではない話です。 唐突に、小説に関する書評・感想ですが、いろいろと思うところがあったので書いてみます。 少し前のことですが、上野千鶴子さんの東大入学式の式辞で、ヒメノカオルコさんの「彼女は頭が悪いから」と言う小説が言及され、話題…

「小1の壁」

長女は4月5日に小学校の入学式を済ませ、今日からピカピカの一年生!として、晴れてかどうだかわかりませんが、通学がはじまります。 「小1の壁」 今までメディアなどではよく聞いた言葉ではありますが、これまでわたしは、どこか他人事のように感じていま…

病院へ行ったけれど、支払った金額が安すぎて・・・・・・・

小さな子どもがふたりいるので、チョコチョコとよく病院に連れて行きます。風邪やインフルエンザ(風邪は本当は受診は要らないのですが、保育園への説明などのために受診させることがあります)、軽めのアトピー性皮膚炎、副鼻腔炎の疑いなどなど。そのたび…

NHKラジオ番組、HP完成!ハッシュタグ#女性の働き方こう思う

昨日告知させていただいたラジオ番組ですが、正式なホームページできました!わたしも登場しています。 ハッシュタグ#女性の働き方こう思う #ジャーナルNote 2月11日(月・祝)午後7時20分~55分「ジャーナルNote」 ~追跡 女医の働く現場で~去年相次いだ…

NHKラジオ第一に取材いただきました!

インフルエンザなどで体調不良が続き(家族4人全員がインフルA型になりました)、久々の投稿です。 先日、NHKラジオ第一に取材していただきました! 放送は2月11日(月)19:20から35分間(インターネットラジオでも聴けます)。 ジャーナルNOTE「追跡 女医…

「ニセ医者」ってどうやって見分けるの?

ときどき摘発される「ニセ医者」。 9月には、Buzzfeed Japan Medical朽木誠一郎記者の取材により、ネット上で「内科医 工藤」と名乗り健康食品を売りつけていた男が、医師ではないことが明るみに出されました。https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki…

学会に「親子席」が登場

日本医学放射線学会秋季大会(10月5-7日、福岡)に行ってきました。 メインホール外のロビーに、こんなのが出現していました。託児所が一杯になってしまったのでこのような措置が講じられたそうです。 女性医師、男性医師、使用している人は決して多くはない…

わたしが医療記事を書く理由

わたしは日々、放射線科医をしながら、メディアなどに医療についての記事を発信しています。 書いているメディアは、主に下記です。 Business Insider Japan 松村むつみの記事一覧 | BUSINESS INSIDER JAPAN アゴラ研究所 agora-web.jp 「発信する医師」とい…